2010年12月08日

雅恋 創作小説【夢見の小鳥】1の巻 

雅恋の2次創作小説を作ってみました。

独自でいままで小説のようなものを書いたことはありましたが
こういう場に出すのは初めてです(‥;)

とにかくまったくの初心者です。
至らぬ点が多々あると思います。
練習の段階になってしまいますが
それでもご了承いただけるという方は
読んでみてください。

【まえがき】

この二次創作小説はゲーム雅恋〜MIYAKO〜を元に作者が
想像の範囲で作成したものです。
ゲーム作成元とは全く関係ありません。

なを、未熟な作品ではありますが,
無断でのコピーやご使用はなさらないよう、お願いいたします。

雅恋の時代のお話です。作者はいろいろ調べながら書いていますが
背景や物、言葉、単語において誤った使い方をしているものも
あったらごめんなさい(--;(_ _

今回のお話は参号と清明と和泉編になっています。
三種の神器が揃った後の話になっています。
その後はゲームとは無関係に進む可能性あります。
キャラも作者が受けているイメージで書いています。

また大変長文になっていますので携帯のかたなどはお気を付けください。

では前置きながくなりましたがOKなかたは先へどうぞ^^【夢見の小鳥】一の巻



真っ白だ・・・
真っ白な世界。

あー・・温かい。
ふわふわの綿毛に包まれているような。

心地いい。


ずっとこのままでいたい。



「―――ぅ」



「――ごう」


遠くから誰かの声が聞こえる。
何て言っているんだろう。




「――んごう」




聞いたことのある声。
誰かを呼んでいる?



「さんごう」



さんごう?
あ、私の名前。

返事をしようと思った。
その瞬間、今までの心地よさが嘘のように消えた。

・・・・っ!

重い。体中が軋むように痛い。

「参号。」

瞼だけが動いてくれた。

「大丈夫か、参号。」

あー、清明様だ。私の部屋?
起きなくちゃ。また抓られちゃう。

「せ・・・いめい・・さ・・・」

・・・・・っ!胸のあたりの激しい痛みに
喉に力が入らなくなった。

「しゃべるな。良かった。やっと意識が戻ったか。」

いつも意地悪い目つきをする清明様なのに
今日はちがう。
とても深刻そうな表情をしている。

そうだ。確か私はさっきまでみんなとアヤカシと戦っていたはず。
赤い閃光が和泉に向かって・・・
あ・・・!

和泉は・・・和泉!

「いず・・・」

飛びおきたかった。
でも体中に激痛が広がり右手だけが宙を掻いた。
その手を清明様がつかんだ。

「動くな!」

清明様は怖い顔でそう言う。
けれど手は包みこむように握ってくれた。

私はどうしても起きたかった。
和泉は和泉はどうなったの?
あの闇にも似た恐怖を感じる赤い閃光が
和泉に向かって飛んできたとき・・・


「和泉が・・・せ・・いめいさま・・・」

「しゃべるなと言っているのがわからないのか!」


清明様の手に少しだけ力が入る。

「おまえは今重傷を負っている。
普通の傷ならすぐ癒せるが今のお前の傷は
呪をかけられた攻撃を受けたものだ。
治るまでしばし時間を要する。」

ふうっとため息をつくと
清明様は私が今何を聞きたかったのか
言わずともわかっているというように。


「宮は無事だ。今は案ずるな。」


そうだ。赤い閃光が向かってきた瞬間、
私は和泉に向かって走っていた。
その後の記憶は無い。

でも、和泉は助かったんだね。
良かった・・・ほんとによかった。

ほっとしたと同時に力が抜けたのがわかったのか
清明様の手の力もふっと抜ける。

その瞬間視界が揺らぎ涙があふれてきた。


和泉・・・・


その涙に気付いた清明様はすっと手を離した。
そして私から目をそらす。

「無茶なことをするなとあれほど言ったのに。
おまえはほんとうに言うことを聞かない式神だ。」




しばらく沈黙が続いた。
ごめんなさい・・・清明様。
でもあの時はもう体が自然に和泉に向かっていた。

・・あ

清明様が親指で涙を拭ってくれる。
また目が合う。

そして清明様はまた目をそらす。

「重湯を持ってきてやる。」

清明様が立ち上がろうとした。

「・・・・くっ!」

立膝をついた清明様が胸を押さえて屈みこんだ。
清明様?
どうしたんですか?!と、言いたかったけど
声が出なかった。

でも無理やり立ち上がると、はや歩きで部屋を出て行った。

今回のアヤカシとの戦いはいつもと違った。
アヤカシは何か大きな力に支配されているようだと
清明様が言っていた。
あの後、いったいどうなったんだろう。
まさか、清明様も怪我をしているんじゃ・・・
あの後どうなったのか。
みんな無事なんだろうか。






鳥の声で目が覚めた。
夜が明けたんだ。
あれ・・・少し体が楽になっているきがする。
起きあがれそう。

一瞬ぐわんっと視界が回った。
「うぅ」

「ああー、まだ起きたらあかんでー!」

「弐号君」

あ、しゃべるのも楽になった。
弐号君の後ろには膳を持った壱号君。

「まったく。お前に膳を運ぶなんて今回限りだからな!」

「これ食べて、はよ元気になってや。壱号が心配でしゃーないみたいやで。」

「こら弐号!余計なこと言うな!」

良かった。2人は怪我もなく元気みたい。

「壱号君、弐号君ありがとう。

あ、清明様は?」

壱号君と弐号君が目を合わす。

「清明は休んでる。一晩中おまえの傷の呪を解くために儀式していたからな。」

私のために、一晩中儀式を?
大丈夫かな。清明様。
ごめんなさい。私のために・・・

「じゃ、今日はゆっくりやすんどき。」

そう言うと2人は行ってしまった。
昨夜のこと、もっと聞きたかったのに。

和泉が無事だと聞いたけど
これだけの衝撃を受ける攻撃だったから
和泉も怪我を負ったかもしれない。
和泉に会いたい。
どうしているだろう。

早く歩けるまでに回復したい。
会いに行きたい。

温かいお粥の朝餉を食べ、
今日はゆっくり寝ていなくちゃと思った。




目が覚めると夕方になっていた。
ずいぶんぐっすり寝てしまったみたい。
朝よりもさらに体が楽になった。
起きあがってみよう。

うん。大丈夫みたい。眩暈もおきない。

これも清明様が呪を解く儀式をやってくれているからなんだろう。
でも昨夜、清明様は立ち上がろうとしたときどこか辛そうだった。
あんな体で大丈夫かな。


清明様、今何しているんだろう。


ゆっくりと立ち上がってみる。
ふらつきながらも壁伝いに歩いてみた。

夕暮れと夜の間の暗くなりかけた景色の中に
光が漏れている部屋があった。

清明様、この部屋に?

すっと部屋に入って御簾の隙間から光の元を見た。

青く光る陣の中で眩しいくらい白い衣装を纏った清明様が
まるで蝶のように舞っている。


きれい・・・


白く整った顔。目を閉じながら何かを唱えながら舞う。
見惚れてしまう。

しばらくその舞いを見ていた。
ふわりとした気持ちになりその心地よさに目を閉じる。

清明様・・・・





「参号」

「はい〜」

「おい参号!」

ハッ!
「あ、はい!清明様!」
清明様の舞いに酔っていたみたい!
びっくりした!

「何をしているんだここで。」

「ご、ごめんなさい、邪魔をするつもりでは・・・」

「儀式は終わった。それよりまだ立ち歩くな。」

「あの、私のためにありがとうございます。
だいぶ楽になりました。」

「そうだな、だいぶ回復できたようだ。」

「はい。あの、はやく仕事寮のお仕事ができるよう
がんばります!」

「ふん。がんばる・・・では休むことに専念しろ。」

あ、なんか頑張るって変な言い方だったかも(汗)

早く仕事寮に行きたい。
和泉に会いたい。


「あの、昨夜和泉様は無事と言っていましたが・・・」

「ああ。無事だといった。」

「でも私があんな重傷を負うほどの攻撃だったので
和泉様も怪我されてないか気になって。」


清明様は少しイラっとしたような顔をすると

「案ずるなと言ったはずだ。」

っと言うと袂を翻して部屋を出て行こうとした。
そのとき・・・

「う・・・」

清明様がしゃがみこんだ。

「清明様!どうしたんですか?」
清明様の肩に手をかける。
一瞬清明様がびくんっとする。

「・・・ってる」

え?

「わかっている。おまえが、宮を心配していることは。」

・・・・

「だが、今はおまえが早く良くなることが・・・」
「清明様!」

清明様がその場でうずくまる。
後ろ襟からみえる首に何かに引っかかれたような傷。

あわてて清明様を仰向けにしてその場に寝かせる。
腕にも無数の傷。
襟元にも見える傷。

「清明様、この傷・・・」

そう言った瞬間、辛そうな息づかいでうつろな目の清明様が
私の腕をつかむとぐいっと自分の胸元に引き寄せた。
そして抱きしめられる。

清明様の鼓動が聞こえる。



「しばし、このまま・・・」



清明様の鼓動が聞こえる。はやい。
このまま?

って・・・え、え!私、清明様に抱きしめられて・・・
ドキドキドキ・・・
これは自分の鼓動?
もうどっちかわからない!

「参号・・・」

「はい」

「おまえの・・ことが・・・」

「え?」

「・・・いや、なんでも・・ない」



どれだけ時間がたったかわからない。
ほんの数秒だったのか数分だったのか。

いつのまにか自由の身になっていたのに気が付き
は!っと身を起こす。

「せ、清明様!あああの、大丈夫ですか?」

すると清明様はにやりと笑いぺし!っと扇で私の頭をたたいた。

「壱号を・・呼んできてくれ。」

ニヤリとはしたけどまだ息使いは荒く辛そうだった。

「はい!呼んできます!」

多分まだ顔が真っ赤だと思う・・・
ドキドキがとまらない。
清明様ったら!
あんなになっても私のことからかうんだから!


からかう・・・そう。多分からかってる・・


清明様、さき何をいいかけたんだろう。
それより今は早く壱号君達を呼んでこないと。


その後壱号君と弐号君が清明様を清明様の部屋に連れて行き
布団に寝かせたらだいぶ落ち着いたとのこと。

夕餉のときに昨夜のことを弐号君に聞いたけど
みんな無事だったということしか教えてくれなかった。
でも壱号君と弐号君がしきりに目を合わせるのを見て
無事とはいえ、何かあったんだと感じた。


和泉が心配。



先日、斎宮になる内親王様と土手で話したこと。
あの姫君に言われるまで気がつかなかった。
和泉が私だけにくれる笑顔。
それからは和泉のことが気になって気になって。

気がつけばいつも和泉を見ていた。
そしてそのたびに胸が甘い痛みと共に熱くなる。
私はきっと。

和泉のことが――好き・・・


和泉。


見上げた夜空に昨日よりも不気味さを増した月。
背中にゾクリとしたものが走る。
少し立っていただけなのに体が重くなってきた。
休まなければ。
早く元気になって仕事寮へ行かなければ。





自分の部屋に戻り床についた。
でも眠りは訪れない。
寝返りを何度もうってウトウトしてはまた目が覚める。
もう子の刻すぎているだろうか。

ふと、清明様の言葉を思い出す。

『参号・・・おまえのことが・・・』

その瞬間、あの場面も思い出し
かーっと耳まで赤くなった。

それと同時に清明様の体にあった無数の傷を思い出した。


清明様、大丈夫かな。
眠れない・・・気になるなら行ってみよう!

起きあがり月明かりの中、清明様の部屋へ向かった。

こんな時間に清明様の部屋に入るなんてきっと叱られる。
でも・・・

大胆な行動に自分でも驚きながら躊躇せず清明様の部屋に入った。

小さくゆらゆらと揺れる灯りの中
清明様はぐっすりと眠っていた。

そっとそっと歩み枕元に座った。


清明様の寝顔。
この方はほんとうに綺麗だなぁ。

顔にかかった髪をそっとよけてあげる。
湯帷子(ゆかたびら)の少し大きく開いた襟から
傷が見えた。
先ほど見たときより良くなっているみたい。

この傷・・・まさか体中に?

そっと襟をひろげてみると
やはりそうだった。
無数にある引っかかれたような傷。

清明様・・・

傷はもうふさがってはいるけれど痛々しく盛り上がっていた。

これはアヤカシにやられたの?それとも・・・




「おまえは男を襲う気か?」



思わず座ったまま後ろへ飛んだ。
!!

「大胆な奴だ。」

「あ、あの・・・ちが・・・!」

清明様が起きちゃった!

そのまま身動きできずただただ清明様を見た。
絶対顔真っ赤。絶対!きゃー!

清明様が襟元をなおしながら上体を起こす。

「式神に寝床を襲われるとは・・・」


「いえ、だからあの、ちがいます!」

「なぜおまえがここに?」

「それは・・・そのですね。清明様がとても心配で・・・」


「心配とてこんな時間に男の部屋に忍び込むとは。」

「あああの・・・」
もう何て言ったらいいの?


ん?・・・ああ!

清明様、なんかいつもの意地悪ーな目だ。
・・・・・

楽しんでる。この状況楽しんでるでしょ!
清明様!

「清明様が元気なら・・・それでいいんです!
あの、私これで失礼します。」

立ち上がろうとすると・・・

「こら!」

びく!

「このままおまえを部屋に帰すと思うのか?」



え!


「参号、こっちに来い!」


えー!

もうすっかりいつもの清明様だ・・・
来なきゃよかったー。

「おまえには仕置きが必要だ。」

ほらきたー;;;

「そこでまっていろ。」

そういうと清明様は立ち上がり御簾の向こうに行った。
しゅるしゅると衣擦れの音。

え?

な、何?
何する気なんだろう清明様。

夜、清明様の部屋に2人きり・・・
まさか・・
きゃー、どうしよう、どうしよう!
顔が火照る。両手で顔面を覆った。

突然頭をぺしっ!と叩かれて我に返った。

「おまえ、また何か変なこと考えていたな。」

見上げると狩衣に着替えた清明様が呆れたというような顔をして
私を見下ろしていた。

「ちーちち違いますって!」

清明様が狩衣に着替えてるということは・・・

「清明様、お出かけするんですか?」

「いや。私についてこい。」

「は、はい。」



月明かりの中、虫の声と床が軋む音だけ。
清明様、こんな深夜にいったいどんなお仕置き?

夕方清明様が儀式をしていた部屋に来た。

「そこでまっていろ。」

そう言うと清明様が青く光る魔方陣を作る。
その結界の中だけキラキラと陽炎のように光が揺らめく。


「参号。中へ。」


魔方陣の中央で清明様とあと一歩で触れる位置で向き合った。
清明様は扇を広げると口の中で呪文を唱え始めた。

扇を一振りすると私の体から何かがすっと抜け出て消えた。
その瞬間荷物を下ろしたときのように体が軽く感じた。


「身固の術だ。これでおそらくおまえの体から呪はすべて消えたはずだ。」

「清明様。ありがとうございます。」

お仕置きなんていいながら、清明様は私のために・・・

清明様がやさしい目で私を見ている。
この方はたまにこうしてドキっとするような綺麗な瞳で
私を見るときがある。
左の頬にほんわかとした温もりを感じる。
清明様の手がやさしく頬に触れた。



「おまえは私の大事な式神だ。
無茶な事をして私を困らせるな。

よかった。もう大丈夫だ。」



何か言おうと思いながらも言葉が出なかった。
ただ目と目が合ったままお互いが見つめあっていた。
清明様の手から、瞳から言葉にできないほどの
温かい何かを感じ取っていた。

その沈黙を解いたのは私だった。

「清明様」

清明様は一瞬目を見開くと我に返ったように
私の頬から手を引いて目をそらした。

「明日。」

私に背を向けながら言う。

「仕事寮に行く。」


もう明日行ける!
和泉に会える!


「参号。」

「はい!」
うれしい気持ちが入りすぎた返事をしてしまった。

「いいか、参号。一言言っておく。
おまえは式神という立場だということを忘れるな。」

「え?」

なんだかもう機嫌悪い?

「はい・・・」


清明様は足早に部屋を出ていく。

なんだか、今日の清明様、変!

ムッとしながら私も部屋へ戻る。
体が軽くなった。

『式神という立場』

私は式神。
わかっている。
でも清明様のあの言い方・・・

寝床について目を閉じた。
明日、和泉に会えるだろうか。
心地いい気持ちになって私はいつの間にか眠りに就いていた。




二の巻へ続く・・・
***********************************

お読みいただきありがとうございます。
おそらく全編で三巻くらいだろうと推測しています(・ω・)

次回は書きあがりましいたらUPします。






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posted by 菫星 at 16:31| Comment(0) | 雅恋 創作小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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